初ヒラ
ヒラスズキ・・・マルスズキとは全く違うスズキである。
慣れた方なら「居たら食う」とも聞くがそう簡単には中々釣れてくれない。
ちょっと前まで台風や大荒れの中、ロッドを振るヒラ氏を見て「ようやるな〜、あんなん出来へんで!」「オカシイでアレは・・」と言っていた。

そう言って自ら立入らない様にしていたのだ、自分達がどっぷりハマッて行く事を知っているから。そして忠告も聞いていた、「既婚者はしないで下さい」と・・・
もっと前へ!

今まで青物ついでにヒラスズキを狙っていたが、今回はヒラ1本!と決め和歌山に行く事に。
土曜日の昼から西畑・大西組が青物狙いで先発、宮川兄弟・長谷川組は日曜の朝1時に南紀へ出発。いつもの如く十分に睡眠してきた宮川兄は車に乗るなり一目散であの世に旅立ち、オイラと弟とでヒラに付いて色々妄想大会である。

AM4:00頃ポイントに到着、暗闇の中サラシが出ているのを確認。まだまだ初心者なので明るくなってからエントリーする事にし一旦仮眠AM6:00頃に逸る気持ちを抑えつつタックルの準備。ヒラ用タックルを持っていない為、下記で挑む。

オイラ:ミュートス110MH+バイオマスター8000番
宮川弟:グランビュー1162MHRS
宮川兄:オリジナルヒラ用ロッド

3人で狙う地磯までトボトボ歩いて行く ザバーン・ジョバーンと波が砕けサラシが出ている。
しかし思っていたほどサラシは厚く無く、出るのかヒラは?と一抹の不安を残しキャスト開始。全くどう言う風に攻めればいいのか解らないもののキャストを繰り返すがヒラからの返事は一向に返ってこない。巻き方はコウか?波が来たらルアーが押されて来るけど早く巻いたらいいのか?止めるのか?まさに試行錯誤!暗中模索とはこの事かと思いながらも試すのみ!

調度先端のサラシを攻めていた宮川兄が場所移動したのでその場所へ入ってみる。ルアーはimaサスケ剛力(RH)磯スズキにはいい仕事をしてくれたルアーだ。サラシと地形をチェックしてみると、ダラダラ磯が張り出しているのでは無くストンと落ちている感じの磯。波が足元を洗っている・・・3人ともウエーダー着用だがスパイクが付いていないのだ。確実に安全な所からではたいしてサラシが攻めれない、足元を確認しながら前に出て行く『もっと前へ!前へ!』幸い海苔など滑る物が無かった為、ちょっと安心し攻めたいサラシに投げるならコノ辺り!と言う所まで出る。

波を観察して大きいサラシが出来そうなタイミングで沖向きへキャスト。
引き波でルアーが横移動する様なイメージで通してみるが周りも気になるのでリーリングしながら辺りを見回していると『コッ!』????すぐにルアーが通ったであろう場所を見るとサラシの中から尻尾が飛び出している。「おぉぉぉ!ヒラやぁ」鼻息フンガフンガ状態でキャストを繰り返すが反応が無い。「ああ終わったのか・・・」諦めながらも、今まで磯にラインが絡みそうなので投げていなかった場所にロスト覚悟でキャスト

引き波に合わせてラインを送り込みラインが絡むのを無事回避、「ああ良かった〜」と一息付きながら巻いていると『カツン!』またもやサラシの中から尻尾が飛び出しているでは無いか!「おるぁぁあ!舐めるなハゲ〜!」と意味不明な叫び声を上げながら2回出たのに乗せれない自分に腹が立ってきた。ちょっと休憩、と場所休めも兼ねて小休憩「くそ〜!あのハゲめ〜ブツブツ・・」

30分ほど休め再度あのハゲヒラを求め同じ場所へ立つ。
何回も頭から波飛沫を被るが、頭が沸騰しているので微塵も気にもしなくなる。「まだや・・まだや・・」いいサラシが出来る波を待って待機する、沖に三角の大きな波が来る!「これか!?ってデカ過ぎるぞ!」走って戻るか?耐えるか?迷ってる暇は無い。後ろに振り返る方が怖い!耐えるぞ!と決め足場を固める・・・ドバーン。「おおおおっ!」波は腰下まで来ているズズズッ体ごと後ろに滑って行くが・・なぜか考えている事は逆である。「ヤバイ!楽しいかもしれない」と・・・

無事に耐える事が出来、今の波で出来るサラシのタイミングにルアーを通す。シュルシュルシュル〜ブルブルブル(引き波に入った!)・・・ゴン!釣り人が最高に幸福な時間、思い描いた通りの場所にルアーが通り・リーリングが止まる様なアタリが来てロッドに魚の重みが乗りカーブを描く、魚が突っ込む度に上下に叩く様にロッドが絞り込まれて行く。

『来たぁぁぁ〜!』

「おおおお!メジロよりもトルクある!突っ込むぞ!ふはははは、ハゲ〜負けるかぁ」そうこちらは青物ロッド+8000番である。何の根拠も無いが負ける気がしないのだ!「うらうら捕ったも同然やんけ!」

スカッ・・・バレた。

「えぇぇぇぇぇ!オイラのヒラがぁぁぁぁ」←馬鹿です。
こうして人生初ヒラスズキがまた幻となってサラシの中に消えて行きました。

その後一切・一切アタリ無し、マッタリとした時間が流れて行きます。
マッタリ?マッタリと来れば・・・寝る!

 
↑近くの磯にて兄弟揃って就寝の図       ↑壊れた兄の図
どっちを選ぶ?

1時間ほどの就寝の後、ヒラをするかそれとも青物に走るかと3人で協議・・・

一気に北上し青物狙いに決定!目指すはブリだぁぁ
下道の軽トラにイライラする事2時間 何とか西畑組と合流し一緒に青物狙い。
宮川弟はリハビリの筈が何故か脱臼の痛みに耐えながらのキャスト。
オイラはヒラを狙ってサラシを狙うが何も出ない。
アカンかなぁ・・・と思っていると

『来たぁ〜!』

ヒラを狙っていた宮川兄に待望のアタリが、ドラグの出方は青物!ロッドが柔らかい事もあり気持ち良く曲がっているがまだまだ余裕がありそうだ!すぐにオイラも駆け寄り何時でもタモ入れ出来る態勢で横に立つ。
ジックリ沖で弱らせ一気に浮かせにかかる。浮上してくる魚は・・・メジロや!
何度かドラグが出されるが無事にランディング成功。

72cm 7ポンド(約3.15kg)


ナブラもボイルも無い中出てくれた1本、写真を撮り絞めていると

『来たぁぁ!』

黙々と投げ続けていた西畑君に出た! おお、回って来たのか?「よっしゃ!タモは任しとけ!」と走り寄ろうとすると魚が右方向へ走り出した。それに合わせて西畑君も移動して行く。良く走るなぁとオイラもタモを持って移動開始。

『あっ・・・切れた。』

どうやら今回も西畑君が捕りたいサイズでは無かったらしく、無事?今期3回目のリリース。

[引き味を楽しむ釣り!キャッチするに値しないサイズはリリース]
のブルジョアな釣りを展開中の西畑である。

その後は完全沈黙なのは言うまでも無い・・・
何故か時間が経つにつれ、逃したヒラが異様に悔しくなってくるのは気のせいなのか?


日時 : 2005年3月6日
場所 : 和歌山
釣果 :メジロ 1匹 72cm 7ポンド(約3.15kg)
流破Report 「初ヒラ」 
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